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2020/03/03更新

「自分だけの答え」が見つかる 13歳からのアート思考

193分

10P

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アートとは何か?

自分なりの答えを見つけ出すための思考法「アート思考」を、代表的なアート作品を事例にしながら、紹介している一冊。アートとは何なのかを、もう一度、わかりやすく確認できます。


■アート思考とは
「アート」というのは、タンポポに似ている。「アートという植物」は、「表現の花」「興味のタネ」「探求の根」の3つからできている。タンポポのように、空間的にも時間的にもこの植物の大部分を占めるのは、目に見える「表現の花」ではなく、地表に顔を出さない「探求の根」の部分である。アートにとって本質的なのは、作品が生み出されるまでの過程の方である。どれだけ上手に絵が描けたとしても、どんなに手先が器用で精巧な作品が作れても、それはあくまで「花」の話。「根」がなければ「花」はすぐに萎れてしまう。

アートという植物は「興味のタネ」からすべてが始まる。ここから根が出てくるまで何年もかかることがある。その根は、ある時どこかで1つにつながり、突然「表現の花」が開花する。この植物を育てることに一生を費やす人こそが「真のアーティスト」である。アーティストにとって花は単なる結果でしかなく、根があちこちに伸びていく様子に夢中になり、その過程を楽しんでいる。アート思考とは「自分の内側にある興味をもとに自分のものの見方で世界を捉え、自分なりの探求をし続けること」だと言える。

超短要約

■アート思考とは
想像力を刺激してくれそうなアート作品を前にしても、「自分なりのものの見方・考え方」などとはほど遠いところで、物事の表面だけを撫でてわかった気になり、大事なことを素通りしてしまっている。さらに、私たちは「自分だけのものの見方・考え方」を喪失していることに気づいてすらいない。

「アーティスト」は、目に見える作品を生み出す過程で、次の3つのことをしている。

①「自分だけのものの見方」で世界を見つめ
②「自分なりの答え」を生み出し
③それによって「新たな問い」を生み出す

「アート思考」とは、こうした思考プロセスであり、「自分だけの視点」で物事を見て、「自分なりの答え」をつくりだすための作法である。

著者 末永 幸歩

美術教師 東京学芸大学個人研究員 東京学芸大学個人研究員として美術教育の研究に励む一方、中学・高校の美術教師として教壇に立つ。現在は、東京学芸大学附属国際中等教育学校で教鞭をとっている。 彫金家の曾祖父、七宝焼・彫金家の祖母、イラストレーターの父というアーティスト家系に育ち、自らもアーティスト活動を行うとともに、アートワークショップ「ひろば100」も企画・開催している。

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章の構成 / 読書指針

章名 開始 目安 重要度
[PROLOGUE] 「あなただけのかえる」の見つけ方 p.1 7分
[ORIENTATION] アート思考ってなんだろう――「アートという植物」 p.27 13分
[CLASS 1] 「すばらしい作品」ってどんなもの?――アート思考の幕開け p.55 20分
[CLASS 2] 「リアルさ」ってなんだ?――目に映る世界の"ウソ" p.99 18分
[CLASS 3] アート作品の「見方」とは?――想像力をかき立てるもの p.139 20分
[CLASS 4] アートの「常識」ってどんなもの?――「視覚」から「思考」へ p.183 17分
[CLASS 5] 私たちの目には「なに」が見えている?――「窓」から「床」へ p.221 16分
[CLASS 6] アートってなんだ?――アート思考の極致 p.257 17分
[EPILOGUE] 「愛すること」がある人のアート思考 p.295 6分
おわりに p.309 3分

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