ファッションや機械、食品など、デザインに優れるメイド・イン・イタリーの特徴を紹介しながら、その強さの源泉を紹介している一冊。どのようにプロダクトに取り組めば優れたものを生み出せるのかヒントが書かれています。
■メイド・イン・イタリーの特長
「メイド・イン・イタリー」は、売上高の大きさで、自動機械、ファッション、インテリアデザイン、食品の4つの分野が主流だ。機械はクライアントの要望に沿ったパーソナライゼーションに強く、ファッション・食品・インテリアの3つの業界で使用される機械に持ち味がでやすい。これら「メイド・イン・イタリー」には3つの特長がある。
①中央政府主導で獲得したブランドではない
②中小の企業であっても大企業に振り回されていない
③テクノロジー主導のビジネスではない
これらのイタリアの中小企業経営の特長を深く理解するにあたって、キーワードとなるのが「意味のイノベーション」と「アルティジャナーレ」である。
イタリアの中小企業経営の特長を深く理解するにあたって、キーワードとなるのが「意味のイノベーション」と「アルティジャナーレ(職人的)」である。
手作業のプロセスに重きをおく「アルティジャナーレ」は、いくつかの側面で中小企業の躍進のベースとなる。製品開発においてはプロトタイプ製作のスピードや製品コンセプトの具体化で効率を発揮し、生産面では中規模量産という独自のボリューム領域をつくり、販売とブランド構築で利益幅を広げるのに貢献した。一方、デザインを経営戦略的にも使いこなすことに長けていた企業は、多大な投資をすることなく、新しい市場を意味のイノベーションをもって開拓した。
著者 安西洋之
1958年生まれ。モバイルクルーズ株式会社 代表取締役 大学卒業後、いすゞ自動車入社。欧州自動車メーカーへのエンジンなどのOEM供給ビジネスを担当後、独立。 1990年よりミラノと東京を拠点としたビジネスプランナーとして欧州とアジアの企業間提携の提案、商品企画や販売戦略等に多数参画している。国際交渉のシナリオ立案とデザイン企画を得意としている。 2009年より海外市場攻略に役立つ異文化理解アプローチ「ローカリゼーションマップ」を考案して執筆・講演活動も行ってきたが、2017年にロベルト・ベルガンティ『突破するデザイン』の監修に関与して以降、「ローカリゼーションマップと「意味のイノベーション」の融合を探索中。
帯 一橋大学大学院教授 楠木 建 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
---|---|---|---|
序 章 意味を問う「メイド・イン・イタリー」 | p.15 | 11分 | |
第1章 「意味のイノベーション」という戦略的デザイン | p.33 | 12分 | |
第2章 「アルティジャナーレ」が語ること | p.53 | 9分 | |
第3章 世界における「メイド・イン・イタリー」の存在感 | p.68 | 14分 | |
第4章 イタリアファッション産業の底力 | p.92 | 14分 | |
第5章 食のグローバルとローカル | p.115 | 14分 | |
第6章 日常空間を彩るモノたち | p.138 | 15分 | |
第7章 スタートアップ企業は何を考えるか? | p.163 | 6分 | |
第8章 アルティジャーノ2.0 | p.174 | 6分 | |
第9章 幼児教育が鍛える審美性 | p.185 | 9分 | |
第10章 EUで磨かれる「メイド・イン・イタリー」 | p.201 | 9分 | |
終 章 日本のビジネスパーソンが「メイド・イン・イタリー」から学べること | p.217 | 7分 | |
おわりにかえて | p.229 | 6分 |
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