かつてアップルの象徴的な広告となった「Think different」キャンペーンの日本責任者であった著者が、アップルの創造性の原動力とは何かを紹介している一冊。
■レガシーを捨てる
スティーブ・ジョブズ率いるアップルがディスラプションを起こすにあたって、フレームワークなどは使っていない。拠り所となったのはスティーブの天才的な先見性と、Think differentに体現されるマインドセットだった。
ディスラプションの第一歩はレガシーを捨てること。レガシーとは、先人が築いた物理的、精神的遺産のことであり、企業活動においては「業界の慣習」「組織の慣習」「ビジネスモデル」など、あらゆるものが該当する。
倒産寸前だったアップルに復帰後、スティーブ・ジョブズが矢継ぎ早に行ったことはまさにレガシーを捨てることだった。新生アップルの創造のプロセスは、文字通り、すべてが破壊から始まった。
「この組み合わせはありえない」と拒絶するマインドを、オブセッションは「こんな素晴らしい世界が生まれるのだ」という新しいパラダイムに導き、ディスラプションをイノベーションへと昇華する原動力となる。
著者 河南 順一
同志社大学大学院ビジネス研究科 教授 マーコムシナジー源 代表取締役 同志社大学商学部卒業、アリゾナ州立大学W.P.Carey School of Business MBA修了。 IT・外食業界等でマーケティング・コミュニケーションを軸にした戦略の策定・展開を担い、CEOとともに企業価値創造の実行に携わる。日本マクドナルド、アップルジャパン、すかいらーく、サン・マイクロシステムズ、モービル石油等に勤務。マーケティングおよびコミュニケーション部門のディレクターとしてマーケティング・ブランドマネジメント・広告宣伝・広報・イベント・エバンジェリスト活動・インターナショナルコミュニケーション・社長室などを統括。厳しい経営環境下で戦略的な企業再生に携わり、アップルで“Think different”を掲げたブランド戦略の展開、マクドナルドでCEOコミュニケーションの一新を担うなど、ブランド再生や企業イメージの刷新に勤しんできた。
帯 アップル 元クリエイティブディレクター ケン・シーガル |
帯2 日本マクドナルドホールディングス 代表取締役社長兼CEO サラ・L・カサノバ |
帯3 ITジャーナリスト 林 信行 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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はじめに | p.4 | 11分 | |
第1章 創造のための破壊 | p.30 | 15分 | |
第2章 不可能を可能にする | p.54 | 15分 | |
第3章 霊感を研ぎ澄ます | p.78 | 12分 | |
第4章 創造力の「融合」で革新を生む | p.98 | 12分 | |
第5章 情熱→ビジョン→オブセッション | p.118 | 15分 | |
第6章 信頼できる仲間の見つけ方 | p.142 | 12分 | |
第7章 フォーカス&インパクトの実践 | p.162 | 15分 | |
第8章 ブランドを精錬する | p.186 | 15分 | |
第9章 自分の強みを最大化させる | p.210 | 1223分 | |
第10章 「勇気」ある選択で世界を動かす | p.232 | 15分 | |
おわりに | p.256 | 7分 |