データとAIがビジネスに大きな影響を与える時代、これからの人材や日本に何が必要なのかが、わかりやすく解説されている一冊。日本の未来を創造するために大切なことが書かれています。
■データ×AIによって仕事の生産性が桁違いに向上する時代
計算機、情報科学の進化、ビッグデータ時代の到来によって起きている変化はとてつもなく大きい。具体的には「情報の識別」「予測」「目的が明確な活動の実行過程」はことごとく自動化していく。
データ×AIの世界ではすべての変化が指数関数的に起きる。5年、10年で数倍という変化ではなく、一桁二桁変わる。結果、現在の不可能なことの多くは5年後、10年後には可能になる。すべての変化は桁で考える必要がある。指数関数的というのは不連続という意味ではない。連続的であるにもかかわらず、ちょっと時間がたつと想像を絶する変化になってしまう、これが指数関数的な変化の本質だ。
現在、仕事と名のつくものは人間が何らかの判断を行う必要のあるモノがほぼすべてだが、これらの結果から仕事の多くは根本的に機械にアシストされる時代が来る。すなわち、現在の労働の中心を占める情報処理的な業務における生産性とスケーラビリティは共に桁違いに向上する。
技やテクノロジー(技術)の強さは大切だが、新たな価値観の挑戦(夢)とそれを形にする力(デザイン)こそが我々の未来の価値を生み出していくもう一方の力になる。
著者 安宅和人
1968年生まれ。慶應義塾大学 環境情報学部教授 ヤフー株式会社 CSO(チーフストラテジーオフィサー) データサイエンティスト協会理事・スキル定義委員長 東京大学大学院生物化学専攻にて修士課程修了後、マッキンゼー入社。4年半の勤務後、イェール大学脳神経科学プログラムに入学。2001年、学位取得。ポスドクを経て2001年末マッキンゼー復帰に伴い帰国。 マーケティング研究グループのアジア太平洋地域中心メンバーの一人として幅広い商品・事業開発、ブランド再生に関わる。 2008年よりヤフー。2012年7月よりCSO(現兼務)。全社横断的な戦略課題の解決、事業開発に加え、途中データ及び研究開発部門も統括。 2016年より慶應義塾大学SFCにてデータドリブン時代の基礎教養について教える。2018年より現職。 内閣府 総合科学技術イノベーション会議(CSTI)基本計画専門調査会 委員、官民研究開発投資拡大プログラム (PRISM) AI技術領域 運営委員、数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度検討会 副座長なども務める。
ダイヤモンド 2020/03/28 花まる学習会代表 高濱 正伸 |
ダイヤモンド 2020/05/02 作家 佐藤 優 |
章名 | 開始 | 目安 | 重要度 |
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はじめに | p.1 | 4分 | |
1章 データ×AIが人類を再び解き放つ -- 時代の全体観と変化の本質 | p.19 | 37分 | |
2章 「第二の黒船」にどう挑むか -- 日本の現状と勝ち筋 | p.69 | 56分 | |
3章 求められる人材とスキル | p.145 | 46分 | |
4章 「未来を創る人」をどう育てるか | p.207 | 42分 | |
5章 未来に賭けられる国に -- リソース配分を変える | p.264 | 61分 | |
6章 残すに値する未来 | p.347 | 62分 | |
おわりに | p.431 | 4分 |